お薦めの飲み物は
「豆乳」「緑茶」以外にもたくさんある

 豆乳も大豆製品。こちらもカリウム、マグネシウム、食物繊維がたっぷりです。飲み物では牛乳もカリウムが豊富なのですが、乳糖不耐症の方などはおなかがゴロゴロしてしまうでしょう。ですから私は牛乳がダメな人に、「どうぞお大事(ダイズ=大豆)にしてください」と言って豆乳を薦めるんですよ(笑)。

 日常的に飲めるものとしては「緑茶」が一押しです。お茶の渋み成分であるカテキンには多くの健康効果がありますが、その一つに血圧の上昇を抑制する働きがあるのです。カテキンはウーロン茶や紅茶にも含まれるものの、緑茶の方が含有量が多いのです。

 豆乳、緑茶……ほかにも血圧を下げる効果が期待できる飲み物はあるかって? ありますよ!

 穀物のそばの実を原料とした「そば茶」には抗酸化作用があるルチンが含まれ、毛細血管を強くし、高血圧の改善作用があるといわれています。もちろんそばにもルチンが豊富に含まれていますから、大みそかの夜にはぜひ年越しそばを。

「杜仲茶」に含まれるゲニポシド酸、「どくだみ茶」に含まれるドクダミにも血液循環を良くし、血圧を穏やかに下げる効果があるとされています。どくだみ茶、そして前述した牛乳にはカリウムが多く、血中の老廃物をスムーズに排出して高血圧の予防になります。

 そのほか「トマトジュース」もカリウムが豊富です。コップ1杯(200cc)につき、およそ500ミリグラムが含まれています。ちなみに日本人の食事摂取基準2020年版では、生活習慣病の予防を目的とした成人1人当たりのカリウム摂取の目標量を男性3000ミリグラム以上、女性2600ミリグラム以上としていますから、飲みものを選ぶときにもカリウムを意識すれば摂取量が増えますね。けれどもトマトジュースは当然、「無塩タイプ」のものを選びましょう。

 また私が最近注目し、患者さんに薦める飲み物は「お酢ドリンク」。お酢の降圧効果は数多く報告されています。好みのお酢大さじ1~2杯(15~30ミリリットル)を8倍以上に薄めて飲みましょう。食前に飲むと胃に負担がかかる場合があるので、「食後すぐ」に飲むのがベストタイミングです。