高血圧専門医であり、月に1回、指圧外来も行っている渡辺尚彦氏に、血圧をいきなり下げる超簡単な「体操」と「ツボ」を教えてもらった。ジャーナリストの笹井恵里子氏が聞いた。(高血圧専門医・循環器専門医 渡辺尚彦、構成/ジャーナリスト 笹井恵里子)
足先などの末梢血管が開けば
血圧が緩やかに低下する
収縮期血圧(上の血圧)140mmHg、あるいは拡張期血圧(下の血圧)が90mmHgを超えると、高血圧と定義されています。
血圧が上がる要因として肥満や塩分過剰摂取、精神的ストレス、睡眠不足などが挙げられます。食事では減塩が大切ですが、前回は手軽に実践できる降圧に効く「食べ物」や「飲み物」を数多くお伝えし、日々の食事に取り入れてくださいというお話をしました。
今回は血圧を下げる簡単な体操と、降圧に効く「とっておきのツボ」をご紹介しましょう。
冬は寒いからと家に引きこもって運動不足になりがちですよね。ですが適度な運動は肥満を防止し、血圧を下げる効果があります。足先などの末梢(まっしょう)血管が開き、血液がスムーズに流れるため、血圧が緩やかに低下するのです。
私が11人の高血圧の患者さんに対して「歩数と血圧」の関係を調べたところ、1日の平均歩数が多い人ほど血圧が低くなることが分かりました。毎日30分のウオーキングか、1日おきに1時間のウオーキングを約20週続ければ血圧が下がるという報告もあります。
しかし忙しいビジネスパーソンの方は、なかなか運動の時間をとることが難しいときもあるでしょう。また運動が苦手な方もいるかもしれません。そういう方には「渡辺式ふくらはぎパンパン法」を勧めています。