有価証券報告書は情報量が多く全てを読むのは大変だ。目次を見て、人的資本経営の情報が開示されている「従業員の状況」と「サステナビリティに関する考え方及び取組」の項目をチェックしよう(下図参照)。

“人を大切にする企業”を見極める「有価証券報告書」の読み解き方。小野薬品工業やソニーグループの実例で解説!

より自由に詳述される
統合報告書 

 また、企業の財務情報に加えて、サステナビリティの取り組みなどの非財務情報を公開する「統合報告書」に、人的資本経営についてより読みやすく書く企業も増えている。これは書き方に決まりがなく、企業が独自性を出して表現している。有価証券報告書も統合報告書も会社のホームページに掲載されており、誰もが読める。

「会社選びでは、面談した社員がいい人だった、知名度が高い、給料がいいといったことだけでなく、中長期的視点で見てほしい。人的資本経営とは『会社の未来と、会社に関係する人材の将来を真剣に考えること』。その情報を見ることで、自分の未来と会社の未来が同じベクトルにあるかを考えてほしい」と國澤氏は言う。