ここで1度、あなた自身のことを振りかえってみてください。

「このまま今の仕事を続けていていいのだろうか」

「自分は、そもそも、なんのために仕事をしているのだろうか」

「あと何年、今の会社で働くのだろうか」

 仕事に対して、そんな漠然とした不安や悩みを抱えていないでしょうか?

 特に、私と同じ40代の中堅ビジネスパーソンには、そんな漠然とした不安や悩みを抱えながら仕事をしている人が多いように感じます。

「四十才は二度目のハタチ。」

 かつて、そんなキャッチコピーがあったように、40代というのは、人生の大きな転機となる年代なのかもしれません。

 そんな漠然とした不安や悩みを抱えたときに、もし自分の軸がきちんと言語化できていたら、どうなると思いますか?

 これからの働き方、生き方を決めていくときの道しるべになるし、どんな道を歩んでいくにせよ、自分で納得したうえで次に進むことができます。

「自分の人生は自分で決める」

 昔からよく聞くフレーズですが、自分の人生を決めるためには、自分の軸が必要なのです。

「なんのために働いているの?」
その問いに答えられない人は要注意

 ところで、自分の軸となる思いや意見を、あなたは日ごろから、しっかりと言語化できているでしょうか?

 はっきりと言葉にしたことはないけれど、自分のことだから一応わかっているつもり。そう思っていないでしょうか?

 ですが、さきほどお話ししたように、その考えは大きな落とし穴です。

 たとえば、「なんのために働いていますか?」と質問されて、よどみなく、パッと答えることができるでしょうか?

 もし答えるのが難しいようであれば、たとえば、あなたが仕事のキャリアで大きな決断をせまられたとき、明快に判断する軸がないということにつながってしまいます。

『こうやって頭のなかを言語化する。』(PHP研究所)『こうやって頭のなかを言語化する。』(PHP研究所)
荒木俊哉 著

 また、さきほどの質問に「家族のためです」と答える人もいるかもしれません。

 すばらしい答えですし、その答えは、きっと嘘ではないでしょう。

 ですが、働くことは、本当に家族のためだけでしょうか?

 お客さんのためには?同僚のためには?そもそも自分のためには?

 そうやって、自分で自分に問いかけていくと、「おや?」と気づくはずです。「家族のため」というのは、自分にとって、ほんの一面でしかないと。その結果、本当はなんのために働いているのか、自分でもよくわからなくなってしまいます。

 このように、自分の軸を言語化するのは、意外と難しく、コツが必要です。