年功序列で誰もが管理職になれた時代から、実績と能力で厳しく選抜される時代に変わりつつあります。そこで問われるのが管理職としての資質ですが、その有無は「普段どのような会話をしているか」で分かります。同じように実績を出してきたのに、管理職としての資質がある人とない人。そこには、明確な違いがあるのです。(アークス&コーチング代表 櫻田 毅)
実績を出してきたのに
管理職に昇格できなかったのは、なぜ?
実力主義の外資系企業に勤める中堅社員Yさんから、2人の先輩、AさんとBさんについての話を聞きました。2人とも十分な実績を積んできた、仕事ができる社員とのこと。
Aさんはエネルギッシュなタイプ。「○○社の社長の攻略まであと一歩まで来たぞ!」「よし、役員のお墨付きをもらったので協力してくれ!」と、立ちふさがる壁をブルドーザーで突破していくような仕事ぶりとのこと。
これに対してBさんは、どちらかというと淡々と仕事を進めるタイプ。いざというときの決断力と行動力は目を見張るものがありますが、成果を出したときでも、「みんなが協力してくれたおかげですよ」と至って謙虚です。
対照的な2人ですが、その後、退職した部門責任者の後任としてディレクターへ昇格したのはBさんでした。Yさんの感想は、「やっぱり、そうだよな」と納得できるものだったそうです。
ともに実績を上げてきた2人ですが、会社はなぜAさんではなくBさんを選んだのでしょうか? それは、AさんとBさんに「決定的な違い」があったからです。