人の数だけ、働き方や生き方の答えがある。

 逆に言うと、だれに聞いても、自分にとっての答えが見つけにくい。

 そんな時代になってしまったのかもしれません。

 察しのいいあなたなら、ここまで読んでお気づきかもしれませんが、あなたらしい働き方や生き方の答えを知っているのは、結局、あなた自身です。

 これからの未来のことを聞くなら、自分に聞くのがいちばん効率的。そして、納得のいく答えにたどりつけます。

 自分の話を聞いて、自分の「軸」をしっかり言語化することが、自分にとっての答えを見つけられる、いちばんの近道。

 言語化力は、生きる力そのものだ。

 私は、そう考えています。

ミッションやビジョンの開発に
企業が膨大な時間と労力をかける理由

 自分の「軸」を言語化することを、私が強くおすすめする理由。

 それは、私がコピーライターとして、企業の軸を言語化する仕事に、長年たずさわってきたこととも関係しています。

 企業のことを「法人」と呼びますが、まさに企業は1人の人格を持っているかのような存在です。

 それぞれの企業には、つくりたい世界、成しとげたい理想があり、それらを言語化して社員全員で共有する文化があります。それらは、ミッションやビジョンといった言葉で表現されることもあります。

 つまり、企業は自分たちの軸を言語化することを、とても大切にしているわけです。実際、ミッションやビジョンの開発に、膨大な時間や労力をかけている企業がたくさんあります。

 それは、なぜでしょうか?

 あなたが部門の運営やプロジェクトのリーダーをしていたら、きっと経験があると思いますが、部門のメンバーの数が増えたり、プロジェクトの規模が大きくなったりするほど、目の前のさまざまなできごとに振りまわされて、自分たちがそもそも進むはずだった道を見失いがちです。

 そんなときに、自分たちの軸がきちんと言語化されていると、その軸となる言葉は、迷ったり、悩んだりしたときに立ちもどる場所を教えてくれたり、なにかを判断するときのよりどころになったりしてくれるのです。

 また、軸が言語化されていると、そこに関わるメンバーが共通の価値観や認識を持って、同じ方向を目指して日々の仕事に取り組むことができます。

 このように、企業にとって軸を言語化することは、とても重要なのです。

漠然とした不安を解決する鍵は
「自分の軸の言語化」

 そして、企業と同じように、私たち個人にとっても、自分の軸を言語化することは、非常に大きな効果があると私は考えています。