ビジネスパーソン写真はイメージです Photo:PIXTA

ライフスタイルが多様化し、ロールモデルが見つけづらい今の時代。そんなとき、SNSを見ればインフルエンサーが自信満々に「唯一の正解」を提示していたりする。だが、それは本当にあなたにとっての正解だろうか。不安や迷いを抱えた時こそ、立ち返ることができる「自分の軸」を持つことで人生は激変すると、電通のコピーライターが力説する。※本稿は、荒木俊哉『こうやって頭のなかを言語化する。』(PHP研究所)の一部を抜粋・編集したものです。

「なんとなく嫌」を言語化し
悩みの本質をつかむ

 頭のなかが言語化されることで、いったいどんなメリットがあるのか、特に人間関係の視点から考えてみたいと思います。

 私たちは、仕事でも、プライベートでも、SNS上でも、さまざまな人とコミュニケーションをとりながら生きています。

 毎日たくさんの人とやりとりをしていると、なにかしらのトラブルや悩みを抱えることもあるでしょう。なかには、「この人、なんとなく嫌だ」「あの人、なんとなく自分と合わない」といった人も出てくるはずです。

 そんなとき、その「なんとなく」をきちんと言語化できると、モヤモヤした感情が一気にクリアになります。「どこに問題があるのか」を整理できて、悩みの本質をつかむことができ、結果的に悩みが小さくなっていくのです。

 また、言語化によって、自分自身との関係も、よくなります。

 たとえば、普段から自分の話をしっかり聞いて、「どう生きていきたいか」という自分の「軸」が言語化されていると、仕事でも、プライベートでも、あらゆる場面で、迷ったり、悩んだりすることが確実に減っていきます。

 この自分の軸を言語化するという視点は、本記事の重要なポイントですので、さらに深掘りしていきます。

インフルエンサーが語る「正解」は
たった1つの正解なのか?

 昨今、特にコロナ禍を経験して、私たちの働き方や生き方の意識に大きな変化が起こりました。

 転職や起業する人が増え、キャリアの重ね方も多様化しています。

 ひと昔前と違って、「こうすれば間違いない」「こうしていれば安心」というお手本のようなものがなくなったように感じます。

 その一方で、インターネットやSNSを開くと、インフルエンサーと呼ばれる人たちが、自分の経験だけをもとに、あたかもそれが間違いのない唯一絶対の正解であるかのように語る動画や記事があふれています。

「本当は、たった1つの正解なんてないはず」

 なんとなくそうわかっていても、自信満々に語られる働き方や生き方をうらやましく思ったり、ついコスパよく、そこに答えを求めたりしてしまう。

 そして、いろいろな情報にふれすぎて、結局、どうすればいいのかわからなくなって、余計にモヤモヤだけが大きくなっていく。

 そんな経験をしたことはないでしょうか?