申告書を出しただけで安心してはいけない!納税は自ら行う
確定申告をした結果、納税額が出たときも注意が必要です。この場合、自ら納税の手続きを行わなくてはいけません。正しい内容で確定申告をしても、納税を忘れていたらペナルティーが付くおそれがあります。
私が国税職員だった頃、「申告書を出したら、納税の案内が来るんですか?」という質問をよく受けていました。しかし、そのような案内は通常なされません。自ら確定申告を行い、自ら納税を行うのが基本なのです。
また、納税の方法は複数ありますが、ここでも手続きを間違えないようにしましょう。たとえば「振替納税」という、口座引き落としによる納税方法がありますが、これを使うには事前に届け出を行う必要があります。
振替納税を行うには、「預貯金口座振替依頼書」という書面に記入して、納税の期限までに税務署に提出します。この書面を一度出しておけば、翌年以降も自動的に振替納税が行われます。
ところが、預貯金口座振替依頼書を提出していないのに、振替納税の手続きができていると勘違いする人が毎年出てきます。なぜそのようなことが起きるかというと、確定申告書にある還付金の受取口座を書く欄を、振替納税の申請と勘違いする人が多いのです。
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この欄はあくまでも還付金が出た場合に関係するものですから、納税の場合は無関係です。ややこしいのですが、確定申告で納税が出た場合は、手続きを間違えないようにしましょう。