
複合機、プリンターはペーパーレス化で逆風下にあるため、業界では再編が進み、医療分野での積極的な買収も目立つようになっている。今回はキヤノン、富士フイルムホールディングス、リコーを取り上げる。3社の中で年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が得をしたか?特集『氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」』(全32回)の#14では、過去20年間を10年刻みにして、5世代それぞれの平均年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。キヤノンとリコーはOB世代が優勢。一方、富士フイルムは現役の若手世代が勝ち組となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
複合機、プリンターはペーパーレス化で逆風下
進む業界再編と医療分野での積極買収
オフィスに置かれている複合機やプリンターといった事務機は、逆風下にある。ペーパーレス化の進展やクラウドサービスの普及により、印刷量が減少しているからだ。
このため、業界再編が進んでいる。例えば、リコーと東芝テックは2024年7月に合弁会社を設立した。事務機の製造機能を共有して、コストを削減するのが狙いだ。
今年に入っても再編の動きは続いている。2月13日には、OKIが2社の事務機連合に合流するとの発表があった。
また、富士フイルムホールディングス(HD)傘下の富士フイルムビジネスイノベーションとコニカミノルタも、1月末に新会社を立ち上げた。両社も部品の調達やトナーの開発で手を組んだ。
このほか、各社は医療機器の分野で買収攻勢を見せている。CT(コンピューター断層撮影)やMRI(磁気共鳴画像装置)といった画像診断において、キヤノンや富士フイルムHDが事業拡大にひた走る。
今回は、キヤノン、富士フイルムHD、リコーを取り上げる。3社の中でそれぞれ、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。
2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象である。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収で見たときに序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。
試算の結果、キヤノンとリコーはOB世代が優勢となった。一方、富士フイルムHDは現役の若手世代が勝ち組となった。また、専門家による3年後の平均年収の予想額も掲載した。次ページで確認しよう。