保険大激変#33Photo by Yoshihisa Wada

2024年10月に保有契約件数が200万件を超えた、住友生命保険傘下のメディケア生命保険。そのメディケアの社長に24年4月に就任した西野貴智氏は、今後同社をどのようにかじ取りしていくのか。特集『保険大激変』の#33では、件数目標や商品戦略など今後の方針を西野社長に聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部編集委員 藤田章夫)

ウェルビーイングに貢献し
グループビジョンを実現する

──2024年4月にメディケア生命保険の社長に就任しました。どのように感じていますか。

 従業員数が600人まで増えていますが、うち住友生命保険からの出向者は約100人です。新卒採用はまだ行っていませんので、前職も年齢もバラバラの社員が大半です。

 当然ながら価値観や考え方がそれぞれ異なるわけです。少々手前みそになりますが、互いにその違いを認め合った上でリスペクトし合い、支え合っていくという素晴らしい風土があると感じています。

──実際にどういうところで感じますか。

 中途入社の場合、専門性を生かすことだけに力を入れがちです。そこで、他部署の仕事を経験する交換留学のような取り組みを行っているのですが、他部署の仕事に関心を持ち、もっと知ろうとする社員が多いですね。

 これは素晴らしいことだと思っています。この文化のようなものを大切にし、当社の目標を実現する際に、自分の業務がどのように目標にひも付いているのか、またどういうふうに役立っているのか、感じられるようにしていきたいと考えています。

──どのような会社を目指したいと考えていますか。

 ブランドビジョンとして、「私たちが出会うすべてのみなさまが、安心と希望に満ちて、健やかにくらしていける社会の実現」を掲げており、当社の存在価値だと考えています。そのためには、お客さまや変化の激しい世の中にフィットする商品やサービスを提供し続けていく必要があります。

 そこで従業員に会社の未来像を理解してもらうために、月1回朝礼で経営陣が全従業員に15~20分ほど話をする機会を作りました。なかなか話を聞く機会がない社長の話であったり、主計担当から決算を説明したり、販売状況などを伝えています。

 そうした取り組みを通じて、全てのステークホルダーのウェルビーイング(一人一人がよりよく生きる)に貢献し、住友生命のグループビジョン2030を実現していきたいと思っています。

──24年10月に保有契約件数が200万件を突破しましたが、今後の目標は。

メディケア生命といえば医療保険の商品力の強さに加え、乗り合い代理店へのサポート体制に強みを持つ。次ページでは、そのメディケア生命の社長に就任した西野氏に商品戦略について話を聞いた。