『週刊ダイヤモンド』7月8日号「最強 保険見直し術」で掲載した「医療保険ランキング」で、圧倒的1位を獲得したのが、メディケア生命保険の「新メディフィットA(エース)」だ。今年1月からはソニー生命保険へ医療保険を提供し、さらに契約の上積みが見込めそうだ。今、生命保険業界内で最も勢いのある同社の野村洋一社長に、勢いの源泉や営業施策などについて話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 藤田章夫、片田江康男)
激戦の乗り合い代理店市場で
ライバルを押さえシェア1位
――昨年からのインフレの影響で、保険の見直しに目を向ける人も増えているのではないでしょうか。足元の契約状況をどのように見ていますか。
保険のことをしっかりと考えている方は一定数いて、その方々はこれまでも保険ショップなどで契約いただいていました。保険ショップも、そうした既存のお客さまに継続的に情報提供をされていて、それがコロナ禍で保険ショップの来店客が落ちても、ある程度契約に結び付いていたんだと思います。
確かにコロナ禍で“お家時間”が増えたことで、これまで保険のことを考えていなかった方が、保険のことを考え始めて、来店されるケースも多かったと思います。ただ、私はより長い目で見るべきだと思っていまして、人の流れが増えた・減ったと一喜一憂しないようにしなければと思っています。
――ショップ型乗り合い代理店に取材すると、コロナ明けの今も客足が戻っていないそうで、経営環境は厳しいという声も聞きます。
やはり若干物価高によって、消費者の方々の財布の紐が厳しくなっていることがあるのかもしれないですね。契約内容の見直しをするために来店された方も、追加で保険に入るのではなく、保険料を安く抑えるのが目的なのだと思います。
一方で、共働き世帯も増えていて、どうせ保険に入るのであれば、しっかりときちんと保障があるプランに入りたいという方もいらっしゃいます。お客さまの要望や考え方は、本当にさまざまだと思います。
弊社でも、特約なしのシンプルなプランもありますが、特約を足していって、非常に充実した保障のプランもあり、これがかなりの量の契約を獲得しています。保険料が安いプランも、それなりに高めの保険料のプランも、両方のニーズがあります。
――御社にとって、同じく日系生保の子会社生保であるネオファースト生命保険、はなさく生命保険、なないろ生命保険がライバルで、激しいシェア争いを繰り広げています。御社の医療保険はシェア1位を維持していますが、今後の競争環境をどう見ていますか。
あまりシェアを意識し過ぎるといけないなと思っています。代理店の皆さまとその先のお客さまに対して、何がベストなのかを追求していくこと、それが何なのかを考えていく姿勢が大事だと思っています。