住友生命保険は2023年4月から、主力商品である健康増進型保険「Vitality(バイタリティ)」の健康プログラムのみの提供を始め、顧客接点を増やす取り組みを強化。24年は、そこで獲得した顧客を保険契約につなげることを目指す。特集『生保・損保・代理店の正念場』(全31回)の#30では、他生保と一線を画す住友生命保険の戦略について、高田幸徳社長に話を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部副編集長 片田江康男)
健康増進型保険「バイタリティ」中心に
非保険サービスを強化、接点を獲得する
――中期経営計画の進捗と、現時点での評価は。
2023年度にスタートさせた中計では、30年にありたい姿として、ウェルビーイング(一人一人がより良く生きる)に関するサービスの領域で、なくてはならない企業グループになることを掲げています。そのための3年間という位置付けで、“つながる、広げる、先へ行く”ということを意識してやってきました。
特にコロナ禍以降、お客さまとの接点を保つことが難しくなってきましたので、“つながり”に力点を置いています。そのために非保険領域の強化を進めました。
私たちにはコア商品である健康増進型保険「Vitality(バイタリティ)」があり、発売して5年がたちました。バイタリティを中心に非保険領域のサービスを充実させ、デジタルで顧客との接点を確保していくことに取り組んでいます。
生命保険各社は2023年度、生命保険だけではなく健康や介護、福利厚生サービスなどの非保険領域へ進出する動きが目立った。だが住友生命保険は5年前から健康増進型保険を発売し、健康増進サービスを充実させるために異業種との提携戦略を進めるなど、他社の一歩先をいく。同社は今、非保険領域についてどのように考えているのか。次ページでさらに詳しく話を聞いた。