ANAは関西外国語大がトップ
JALは早慶が強さを見せる
24年のランキングにおいて、ANAの採用人数が最も多かったのは関西外国語大学で、2位は慶應義塾大学、3位は早稲田大学だった。
関西外国語大学はコロナ禍以前から航空業界の就職に強かったが、採用縮小の影響が残っていた23年にはランク外となり、今回再び大きく順位を上げた。同大学はANAやJALと包括協定を結んでおり、エアラインスクールで開講されている客室乗務員(CA)講座を学内で受講できるなど、航空業界への就職を支援する実践的なサポート体制が整っている。
5位には上智大学と日本大学が並び、関西学院大学や東海大学、MARCHのうち青山学院大学、中央大学、法政大学がランクインした。23年はトップ10に東京大学、京都大学などがランクインしていたが、今回は私立大学が占めた。
JALの採用では、早稲田大学が1位、慶應義塾大学が2位、青山学院大学が3位となった。
4位の桜美林大学では、航空業界を志望する学生向けに「アビエーションマネジメント学類」を設けている。また、5位の立教大学では「JALサマーワークショップ」が開催されるなど、上位にランクインした大学では航空業界の人材育成のためのシステムが整えられている。
ANAとJALの両方でトップ5に入った青山学院大学は、以前から特にCA採用に強い大学として知られている。
非航空事業も展開
求められる人材とは?
航空業界への就職を考えるにあたり、業界の構造を理解することが重要である。
大手のフルサービスキャリアに加え、LCC(格安航空会社)、中堅航空会社、貨物専門の航空会社が存在し、それぞれ異なる業務を担っている。
また、総合職、企画職、グランドスタッフ、整備士、パイロットなど、多様な職種がある。さらに、航空以外の事業もグループ会社や本社勤務を通じて展開されており、これらの職種が業界の構造を形成している。
日本の航空業界では、ANAやJALの総合職の新卒採用において、配属先を特定しない「ゼネラリスト型採用」が主流である。LCCではポジションごとの採用も行われているが、基本的には職種や部署を固定せず、複数の部署を経験させる日本独自の雇用形態が続いている。
こうした状況の中で、企業はどのような人材を求めているのか。