カシュ・パテル氏が連邦捜査局(FBI)長官として最初に尋ねた質問の一つは、今や誰が指揮を執っているかを浮き彫りにするものだった。事情に詳しい複数の関係者によると、パテル氏はFBIの自身のオフィスと自宅の両方から大統領執務室に安全な回線で電話をかけるには、どうすればいいかと当局者に尋ねた。エドガー・フーバー初代長官以来、どのFBIトップもホワイトハウスとの距離を保とうと苦心してきたが、第2次トランプ政権は逆の路線をとり、伝統的に独立性を保ってきたFBIと司法省を大統領の掌握下に置こうとしている。パテル氏がドナルド・トランプ大統領と密接に連絡を取り合おうとする姿勢は、従来の指揮系統に関する取り決めとは異なるものだ。FBI長官は従来、司法副長官に報告を行い、大統領は司法長官としか話さないのが通例だ。