
日本製鉄が注力しているのは、米USスチール買収に代表される海外事業の拡大だけではない。需要が縮小する国内では、グループ再編を進めている。近年では、日鉄子会社の上場廃止や吸収合併といった例が相次いでいるのだ。特集『日本製鉄の蹉跌 鉄鋼 世界大乱戦』の#5では、日鉄の国内グループ再編の全貌と真意を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
海外に積極攻勢の日本製鉄
一方、需要減の国内ではグループ会社にメス
日本製鉄の海外への進撃が続いている。各地で課題が山積しているものの、米鉄鋼大手のUSスチール買収をはじめ、需要増が見込まれるエリアに積極攻勢をかけているのだ(日本製鉄の海外戦略については、本特集の#3『もし日本製鉄の巨額買収が成功しても…世界市場激変で「1億トン・1兆円計画」に暗雲?“トランプ関税の影響”も判明』参照)。
だが、日鉄が大胆な施策を取っているのは海外だけではない。国内ではグループ会社の再編を推し進める。詳細は次ページで述べるが、日鉄子会社の上場廃止や吸収合併といった事例が相次いでいるのだ。
グループ会社の数が減少すると、日鉄本体の社員の天下り先も減ってしまう。出世コースから外れた重役たちの行き場がなくならないのか、気になるところだ。
次ページでは、日鉄の国内グループ再編の全貌と真意を明らかにする。次に再編されるのは、どの分野だろうか。