日本製鉄の蹉跌 鉄鋼 世界大乱戦#62024年1月、社長交代会見に臨む橋本英二社長(現会長兼CEO、写真左)と今井正副社長(現社長兼COO) Photo:JIJI

国内鉄鋼最大手の日本製鉄は、昨年4月から橋本英二会長兼CEOと今井正社長兼COOの下で米USスチール買収など難題に取り組んできた。その裏では、早くも「ポスト橋本・今井レース」が始まっている。特集『日本製鉄の蹉跌 鉄鋼 世界大乱戦』の#6では、関係者の証言から日鉄の次期社長人事をずばり予測する。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)

“最強の布陣”で難局に挑む日本製鉄
その裏で早くも後継者争いが勃発

 国内鉄鋼最大手の日本製鉄は、昨年4月から経営体制を刷新し、米USスチール買収など国内外の難局に“最強の布陣”で臨んでいる。

 社長だった橋本英二氏は会長兼CEO(最高経営責任者)としてトップの座にとどまり、社長兼COO(最高執行責任者)に就いた今井正氏と2巨頭体制で全社の運営に当たる。さらに、USスチール買収交渉の大役は、副社長から副会長兼副社長となった森高弘氏が担っている。

 日鉄の経営体制は盤石に見えるが、日鉄の社長の任期は通常5年とされるため、4年後には経営陣が入れ替わることになる。

 となると、次期社長が誰になるのかが気になるところだ。水面下では、早くも「ポスト橋本・今井レース」が勃発している。日鉄関係者によると、次期社長有力候補として「ある役員」の名が挙がっているというのだ。

 カリスマ経営者の後を継ぐのは、いったいどんな人物なのだろうか。

 次ページでは、関係者の証言から日鉄の次期社長人事をずばり予測する。