
「JTC(伝統的な日本企業)」のイメージが根強い鉄鋼メーカー各社は、人材確保に苦戦している。今回ダイヤモンド編集部は、企業の与信管理を支援するベンチャーが集めた口コミデータなどを基に、日本製鉄、JFE、神戸製鋼所の昭和組織からの“脱却度”を徹底分析。特集『日本製鉄の蹉跌 鉄鋼 世界大乱戦』の#7では、鉄鋼大手3社の組織風土の実情を明らかにする。今でもブラックな会社はあるのだろうか。(ダイヤモンド編集部 今枝翔太郎)
人手不足に悩む鉄鋼業界
人気低下と「若手の離職」が深刻
近年、国内製造業の人手不足が深刻化している。鉄鋼業界も例外ではない。大手鉄鋼メーカー関係者は「鉄鋼業界の仕事がきついのか、最近は学生からの人気がない上に入社してもすぐに辞めてしまう」と頭を抱える。
鉄鋼大手各社は優秀な人材を確保すべく、有名タレントを起用したテレビCMや電車広告などを通じて自社のイメージアップに努めている。
では、実際の社風はどうなっているのだろうか。
今回ダイヤモンド編集部は、企業向けに与信管理サービスを提供するベンチャー企業、アラームボックスのデータを基に、日本製鉄、JFE、神戸製鋼所の働き方や待遇、職場環境に関する社員の不満投稿を分析した。コロナ前から直近までの口コミを精査した上で、現職の社員にも取材を進めると、鉄鋼業界の課題が浮き彫りとなった。
次ページでは、鉄鋼大手3社の組織風土の実情を明らかにする。いまだにブラックな風土の残る会社はあるのだろうか。