氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較! 主要100社の「20年間年収推移」#25Photo:Bloomberg/gettyimages

今回は鉄鋼の主要3社を取り上げる。日本製鉄、JFEホールディングス、神戸製鋼所の中で、年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が得をしたか?特集『氷河期、バブル…どの世代が損をした?5世代を比較!主要100社の「20年間年収推移」』(全32回)の#25では、過去20年間を10年刻みにして、5世代それぞれの平均年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。その結果、日本製鉄と神戸製鋼は若手社員が優位となった。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

神戸製鋼より100万円も高い
日本製鉄の平均年収

 鉄鋼業界で話題を呼んでいるのは、何といっても日本製鉄による米USスチール買収計画の行方だろう。2月上旬の日米首脳会談で、トランプ米大統領は「少数株主であれば問題ない」「買収ではなく投資だ」との考えを示した。

 だが、その後は膠着状態が続いている。日本製鉄はUSスチールの完全子会社化を諦めていないからだ。トランプ氏は首脳会談後の記者会見で「日本製鉄の幹部に会う」と述べていたが、宙に浮いたままである。

 さて、今回の記事では、日本政府も巻き込んで注目の的になっている日本製鉄に加え、JFEホールディングス(HD)、神戸製鋼所の社員の平均年収に焦点を絞る。日本製鉄の社員の年収は829.3万円で、業界3位の神戸製鋼(726.4万円)に差をつけている。

 ちなみにJFEHDは1171.0万円だが、同社は持ち株会社で従業員がわずか53人。グループ内のエリート集団であるため、年収水準が高めに出ている。

 そんな3社の中でそれぞれ、年齢別に長期で年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?このことを探るため、ダイヤモンド編集部は20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要100社内のランクの推移を独自に試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象である。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本の主要企業100社の中で、年収で見たときに序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 試算の結果、日本製鉄と神戸製鋼は若手の社員が優位となった。専門家による3年後の平均年収の予想額も掲載した。次ページで確認しよう。