自分を守るための具体的対策

 常識が通用しなくなった今、こうした詐欺から自衛するためにはどうしたらいいのだろうか?

(1)対面での相談
 警視庁が最も推奨しているのはこれ。最寄りの警察署・交番で、「直接」相談してほしい、としている。
(2)警察の相談ダイヤル「#9110」
 対面が難しい場合は、相談ダイヤルへかけて電話で相談してほしい。全国共通の相談窓口で、不審な電話について確認できる。
(3)折り返して確認する
 本物の番号であれば、こちらからかけ直すことで正規の窓口につながるはず。ただし、番号を改変した「似た番号」の可能性もあるため、ネット等で本物の番号をしっかり確認してからかけるようにしたい。

 繰り返しになるが、私たちはこれまで「電話番号が表示されれば、その相手は本物」と信じてきた。しかし今や、その常識は崩れ去ろうとしている。

 技術が進化することでさまざまなことが便利になるが、その裏には必ず悪用リスクも存在する。その中で私たちが持つべきは、「一呼吸おく冷静さ」である。どれだけ本物らしい番号・話し方でも、少しでも違和感を覚えたら即座に信じない勇気が必要だ。詐欺の手口が巧妙化する今、技術だけでは防げない部分も多い。

 最後の砦は、私たち一人ひとりの判断力と備えである――。

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