下の図-2は、脳の成長力と老化度を示したものですが、脳の成長力は何もしなければ約55歳を境に落ち、老化度は逆に加速します。認知症の場合はさらにその度合いが顕著です。一方、脳を鍛えている人の脳の成長は右肩上がりに伸びていき、老化度も抑えられます。

つまり、脳の老化度を抑え、成長力を高めた人こそ、脳をイキイキさせることができるのです。
イキイキと元気な脳にするために必要なのは、新しい情報を集めて脳を刺激すること。「あれがしたい」「これが欲しい」と欲張るほどに、ワクワクしたり、楽しく前向きな気分になって脳を成長させることができるのです。
脳の健康を保つために
必要な要素とは
脳の健康に必要なものは、3つあります。
まず1つめはグルコース、つまり、糖分です。糖分をとらないと脳は働きません。
2つめは酸素。血液に乗って酸素が運ばれることで、脳は機能します。
3つめは情報です。脳は情報、言い換えれば経験を積むことによって成長します。
このように、脳には糖分や酸素だけでなく、情報が必要なのです。私たちが日々さまざまな経験をすることで、脳は成長しています。
脳の健康を保つやり方は、植物を育てるのと同じだと思っています。植物が成長するには光と水と空気、栄養分が必要ですが、それは脳も同じです。糖分、酸素、情報という栄養を取り込むことで、初めて脳は元気になります。1つでも欠けると、一気に脳は衰えます。
友達とけんかをすると、人は元気がなくなります。逆に、楽しい出会いがあれば、ワクワクします。つまり、経験は脳に影響を与えるということです。