
昨年日本での発売を果たしたピックアップトラックのトライトンと2021年の登場から早くもマイナーチェンジを行ったアウトランダーPHEV。この2つのモデルにはどんな個性があるのか。かつてRVブームのど真ん中にいたMITSUBISHIが本気になった今、その実力と魅力に迫ってみる。
グローバルに俯瞰すると、明快に見えてくる
ブランドを支える2本の屋台骨
日本でのMITSUBISHIのイメージは「小さいクルマのブランド」かもしれない。現にデリカミニやekクロスシリーズは人気で街中でもよく見かける。というか、見ない日はない。もっといえばテレビCMも目立っている。デリカミニのCMは、「BRAND OF THEYEAR 2023」の「消費者を動かしたCM展開 特別賞」に輝いた。“デリ丸。”の動きがなんともチャーミングでかわいい。
とはいえ、グローバルに目を向けると異なる景色が見えてくる。2023年、ブランド内で一番売れたのはアウトランダーで、2位がトライトンだ。この2モデルで全体の34.8%を占めていることから人気の高さがうかがえる。2022年は1位トライトン、2位アウトランダー、2021年は1位アウトランダー、2位トライトンだから、この2つのモデルが二枚看板としての確固たる地位にあるのは明白だ。つまり、両者がMITSUBISHIの屋台骨となる。
もちろん、アウトランダーPHEVもトライトンも日本での注目度は高い。前者は2021年のフルモデルチェンジでイメージをガラリと変え評判を得た。走りもよく、個人的に三菱自動車にロングタームテストの話を持ちかけたほどだ。約1年間、日々の足にしたが印象はすこぶるいい。トライトンもまた「日本カー・オブ・ザ・イヤー2024-2025の10ベスト」に選ばれ、さらに「デザイン・カー・オブ・ザ・イヤー」にも輝いた。スタイリングが難しいダブルキャブをカッコよく仕上げたのがしっかり評価されている。学生時代からピックアップトラックに乗っていた身からするとこれはうれしい。あまり注目を浴びてこなかったカテゴリーだけに今回の受賞は大きな価値となる。
ということで今回この2つのモデルをフィーチャーしていくが、MITSUBISHIにとってこれらは得意分野であることを忘れてはならない。かつてRVで一世風靡したブランドが、いままさにアクティブに動き始めた。