1億円以上稼ぐ取締役1109人はもらい過ぎ!? 「年収1億円以上幹部」と従業員の年収格差ランキング#11

日本の経営者の報酬が低いと指摘されて久しい。それでも、実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1109人もいる。成果に見合った報酬を受け取ることは当然といえよう。ただし、大事なのは納得感だ。業績や株価が振るわなければ株主は不満を持つだろうし、なにより従業員の士気が下がる。そこで、精密機器業界の1億円以上もらう役員と従業員の年収格差ランキングを作成。特集『1億円以上稼ぐ取締役1109人はもらい過ぎ!?「年収1億円以上幹部」と従業員の年収格差ランキング』(全24回)の#11では、精密機器業界の年収1億円以上の経営幹部と一般社員の年収格差の実態を調査、実名ランキングで32人を検証する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

精密機器業界で年収1億円以上32人の実名
トップは従業員年収と109倍の格差!

 精密機器業界で一般の従業員の平均年収が1000万円を超えるのはオリンパスだけだ。多くの企業が500万~800万円台にとどまっている。

 そのオリンパスだが、幹部の年収も非常に高い。そして、従業員との格差も大きい。

 ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。その経営幹部である人物の年収と従業員の平均年収を比較し、何倍の開きがあるかでランキングを作成した。数字が大きくランキングの上位にいるほど、従業員の待遇との格差が大きいことになる。

 また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかどうかの判断の参考にしてほしい。今回対象としたのは精密機器業界だ。

 では、精密機器業界の「年収1億円以上」の経営幹部で、従業員の年収と格差が大きいのは誰なのか?

 トップは違法薬物購入疑惑で退任に追い込まれたオリンパスのシュテファン・カウフマン社長。受け取る年収は11.3億円で、従業員の平均年収の109.31倍だった。そして、1~5位までをオリンパスの幹部が占める結果となった。

 オリンパス、HOYA、メニコン、朝日インテック、セイコーグループ、ナカニシ、テルモ、インターアクション、東京精密、ニコン、ブイ・テクノロジー、ノーリツ鋼機、島津製作所、トプコンといった企業の幹部たちの年収はいくらで、従業員の何倍をもらっているのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。