
日本の経営者の報酬が低いと指摘されて久しい。それでも、実は日本の上場企業には「年収1億円以上」のビジネスパーソンが1109人もいる。成果に見合った報酬を受け取ることは当然といえよう。ただし、大事なのは納得感だ。業績や株価が振るわなければ株主は不満を持つだろうし、なにより従業員の士気が下がる。そこで、「その他製品」業界の1億円以上もらう役員と従業員の年収格差ランキングを作成。特集『1億円以上稼ぐ取締役1109人はもらい過ぎ!?「年収1億円以上幹部」と従業員の年収格差ランキング』(全24回)の#12では、「その他製品」業界の年収1億円以上の経営幹部と一般社員の年収格差の実態を調査、実名ランキングで31人を検証する。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)
「その他製品」業界で年収1億円以上31人の実名
トップは従業員年収と112倍の格差!
ゲームや印刷関連、スポーツ用品、楽器など、多種多様な企業が属している「その他製品」業界(東京証券取引所の業種分類)。
そして、「その他製品」業界には1億円以上の年収を受け取る幹部は31人いるが、他の業界に比べると、その額はそれほど高くない。では、一般従業員の年収との格差はどれくらいなのだろうか?幹部の年収がそれほど高くないとしても、従業員の年収が低ければ格差は広がるからだ。
ダイヤモンド編集部では、経営トップの会長、社長のみならず役員を対象に、年収1億円以上の高額な報酬を受け取っている人物を業界別に集計した。1社から複数人が記載される場合もある。その経営幹部である人物の年収と従業員の平均年収を比較し、何倍の開きがあるかでランキングを作成した。数字が大きくランキングの上位にいるほど、従業員の待遇との格差が大きいことになる。
また、本特集では高収入を単純に批判する狙いはない。ランキングには、年収額と併せて、PBR(株価純資産倍率)、ROE(自己資本利益率)、時価総額も掲載しているので、それらに「見合う年収」を得ているかどうかの判断の参考にしてほしい。今回対象としたのは「その他製品」業界だ。
では、「その他製品」業界で「年収1億円以上」の経営幹部で、従業員の年収と格差が大きいのは誰なのか?トップはなんと一般従業員の112.62倍をもらっていた。
広済堂ホールディングス(HD)、フルヤ金属、アートネイチャー、任天堂、大日本印刷、ニッピ、TOPPANホールディングス、ローランド、SHOEI、ピジョン、アシックス、ヤマハ、オカムラ、バンダイナムコホールディングス(HD)、イトーキ、タカラトミー、ミズノといった企業の幹部たちの年収は幾らで、従業員の何倍をもらっているのだろうか。次ページで実名と共に一挙に見ていこう。