山:はい。乗れます(笑)。U-125Aは、イギリスのホーカー・シドレー社が開発したビジネスジェット機の「HS125」をベースに軍用に改造した機体です。ですから“空自の乗り物”としては乗り心地がとても良い。快適に乗っていただけると思います。

 今回搭乗した航空自衛隊の救難探索機、U-125Aの諸元は以下の通りだ。

乗員 4名
エンジン TFE731-5R-1H×2
全幅 15.66m
全長 15.60m
全高 5.36m
自重 1万8000lbs
最大速度 442kt(約820km/h)
航続距離 約2200nm(約4000km)
航空自衛隊の救難探索機、U125A今回搭乗した航空自衛隊の救難探索機、U-125A Photo:Diamond

救難隊は全国に10カ所、山でも海でも助けに行く

F:とても格好が良い。パッと見は普通のビジネスジェットですね。

山:確かにパッと見はそうですが、よく見ると違いがあります。機体左右に半球形の大きな観測窓があるでしょう。あそこの中に顔を入れて、海面や山岳を観測するのです。他にも胴体下部の捜索用レーダーアンテナや、機首下部の収納式赤外線暗視装置などがあり、よく見るといくつかの違いがあります。

F:山も見るのですか?海だけではなく?

山:救難の必要があれば、我々はどこにでも向かいます。ですから我々の隊員は、泳ぎの訓練も、山岳の訓練も、また空挺の訓練も行います。

F:空挺ですか?なんと!パラシュートで降りることもあるのですか。

山:はい。パラシュートでも降りますし、ロープ伝いに懸垂下降でも降りますし、ホイスト(モーター駆動の巻き上げ式昇降装置)を使うこともあります。状況により使い分けます。

F:救難隊は全国にいるのでしょうか?

山:北は北海道の千歳基地から、最南はここ沖縄の那覇基地まで、救難隊は全国に10カ所あります。具体的には千歳、秋田、松島、百里、新潟、浜松、小松、芦屋、新田原、那覇。隊員の教育や機材の大きな整備担当を行うのは愛知県の小牧基地、司令部は埼玉の入間基地に存在します。

UH-60Jの機体左側に設置されている、電動デュアルホイストUH-60Jの機体左側に設置されている、電動デュアルホイスト  Photo by Ferdinand Yamaguchi

F:救難隊は全国に10カ所、なるほど。