基本的な任務は、自衛隊員の捜索救助

山:我々の具体的な任務は、「救難機による事故航空機の乗員の捜索と救助」。基本的には自衛隊の航空機の搭乗員の捜索救助。これが第一義の任務になります。更に行方不明や、緊急状態になった航空機の待機も行います。那覇から戦闘機が飛ぶ時は、必ず我々が待機して、すぐに飛び立てるように準備しているのです。

F:すぐ飛び立つと仰いましたが、戦闘機にスクランブル(地上待機の戦闘機が警報を受けて緊急発進すること)がかかったときにはどうするのですか。領空侵犯は曜日にも時間にも関係なくやってきますよね。

山:我々も、いついかなる時でも飛び立てるように準備しています。戦闘機がすぐに飛び立てるように、救難機も要請があれば15分で飛び立てるよう待機しているのです。救難待機には2種類あり、第1待機が15分以内、第2待機は2時間以内に飛び立てる準備を整えています。夜中に戦闘機がスクランブルになった場合は、自分たちも呼び出されて、15分待機の飛行機を作ります。もちろん土日も夜間も関係なしです。

F:救難隊の誰かが、常にここで待機しているということですか。

山:そうです。戦闘機が飛ぶ時は、必ず救難隊が待機して、いつでも飛べるように準備しているのです。ですから15分待機の要員は、必ずここにいなければいけません。2時間待機の要員も、自宅等で常に連絡が取れる状態で待機をし、「スクランブルあり」との報があれば、直ちに基地に駆け付ける、という感じです。

F:それでは自宅にいてもお酒とかは……。

山:もちろん飲めません。クルーに指定されている時は、家にいても絶対に飲めません。

F:3年間、一滴も酒を飲めないとか、辛すぎますね……。

山:3年間も断酒をすれば、うんと健康になるでしょうね(笑)。ですがシフトが組まれていますから、それはありません。我々にも“完全オフ日”がありますから、飲みたい人は飲んでも大丈夫です。