救難隊員は志願制、厳しい選抜試験を通ったものだけがなれる
F:どのような人が救難隊員になるのですか?「お前がやれ」という指名制ですか?
山:救難員に求められる資質は、「困難な状況下にあっても、冷静な判断と果断な行動をもって人命救助できる屈強な人間」というところです。救助は洋上だけでなく、高い山で行われます。もちろん夏もあるし冬もある。台風で大荒れの海でも、風雪の冬山でも救助は行われます。ですからオールラウンドで救助できる能力を持っていることが肝心です。どんなに厳しい状況でも、遭難者を見つけ出して、機体から降りて、生きて帰らせるんだという強い精神力。これはマストです。そして指名制ではなく志願制です。空自の中で「救難員にぜひなりたい」という志願者が、部隊長の推薦を受けて選抜試験に挑みます。
F:資格はあるのですか?
山:資格要件は 28歳以下の空曹または空士長で、長期勤務の意思があり、もちろん勤務成績が優秀な人が選ばれます。面接試験と適性検査、更には水泳の実技も行われます。
F:空自でも泳げなければダメなんですね。
山:もちろんです。泳げなければ話になりません。
F:空自なのに“海猿”なんだ(笑)。
山:そういう意味では、海猿でもあるし、山猿でもありますね、我々は(笑)。
F:格納庫の中にトレーニング機器が置いてあるのが見えました。あそこで毎日鍛えているのですか?
山:もちろんです。救難隊員には、強靭な肉体と精神が求められます。自分も体を鍛えています。
