学校のスタンスを知るために
知っておく、見ておくといいこと
中学受験において、学校説明会や見学会は単なる情報収集の場ではなく、学校の本質を見極める重要な機会です。学校のスタンスや校風を知るためには、どのような点に注目し、質問をすればよいのでしょうか。
まず大切なのは、説明会で先生方が生き生きとしているかを観察することです。教員の姿勢や雰囲気は、学校の教育環境を映す鏡とも言えます。活気のある先生が多い学校は、子どもたちにとっても良い環境である可能性が高いでしょう。
次に重要なのは、遠慮せずに気になることを質問する姿勢です。社会常識の範囲内で、保護者と学校が対等な立場であるという認識を持ちつつ、気になる点は積極的に聞くことをお勧めします。
ただし、ここで言う「対等」とは、「自分たちは、授業料を払う『お客様』だから何でも言っていい」ということを意味するわけではありません。互いに尊重し合いながら、ともに教育を築き上げていくという意識が重要です。
先生が学校の理念や対応策を「自分の言葉で」語ってくれるかどうかにとくに注意するとよいでしょう。マニュアル的な、あるいは優等生的な回答ではなく、実際の経験や具体的な対応例に基づいた説明ができる学校は信頼できるでしょう。「作文ではなく、自分の言葉で話しているか」を見極めることがポイントです。
例えば、「いじめ対応はどうしていますか?」と質問した際に、「うちの学校には、意識の高い家庭の方が集まっているので、そういうトラブルはありません」などと建前で一蹴するのではなく、「万一いじめが起きた際には迅速に対応し、双方の話をしっかり聞くようにしています」といったリアルな回答をする学校の方が誠実さを感じさせます。
成績不振者への対応についても同様です。「一人ひとりきめ細かく対応しており、面倒見がいいので、大丈夫です」という抽象的な回答よりも、「補習を行い、必要に応じて個別指導も実施します。場合によっては高校進学時に環境を変えるアドバイスもしています」といった具体的な対応策を説明してくれるかどうかを見て下さい。