「三省堂 辞書を編む人が選ぶ 今年の新語2024」で「言語化」が大賞に選ばれるなど、「言語化」という言葉を耳にすることが増えた。「とっさの質問にうまく答えられない」「『で、結局、何が言いたいの?』と言われる」「話し方やプレゼンの本を読んでも上達しない」……。そんな悩みを持つ方は、言語化の3要素である「語彙力」「具体化力」「伝達力」のどれかが欠けていると指摘するのは、文章や話し方の専門家であり言語化のプロである山口拓朗氏。本連載では、話題の書籍「『うまく言葉にできない』がなくなる言語化大全」の著者・山口拓朗氏が、知っているだけで「言語化」が見違えるほど上達するコツをご紹介していきます。

「たった1つの力」で7つのスキルが一気に伸びる。その正体とは?Photo: Adobe Stock

言語化力はあらゆる能力の土台となる!

言語化力は、単なる言葉のスキルではなく、あらゆる能力の土台となる重要な力です。言語化力を鍛えることで、次の7つの能力が飛躍的に向上します

①コミュニケーション力(質問・回答・会話など)
相手に的確な質問ができるほか、質問に対しても論理的に答えられるようになります。また、即興の会話でも適切な言葉を選べるため、スムーズな意思疎通が可能になります。

②文章力(表現・プレゼン・スピーチなど)
言葉の選び方や論理の組み立て方、構成力、表現力などが軒並み向上し、文章やプレゼン、スピーチの説得力が増します。

③理解力(読解・思考など)
語彙力が豊かになることで、文章や会話の理解度が高まり、論理的に考える力も高まります。

④アイデア力(発想・問題解決など)
言葉を組み合わせることで、アイデアを生み出しやすくなります。また、問題の本質を捉えた解決策を考えられるようになります。

⑤目標達成力(計画・行動など)
夢や目標を明確に言葉にすることで、ゴールや行動指針がはっきりし、実現しやすくなります。なお、言葉は行動を促すプログラムとしても機能します。

⑥自己理解力(感情マネジメント・メタ認知など)
自分の考えや感情を言語化することで、自己理解が深まり、感情のコントロールや、冷静な判断・決断ができるようになります。

⑦ストレス耐性(心の整理など)
書く・話すなどの言語化によって、考えや気持ちが整理されていきます。その結果、ストレスが減り、心が癒やされ、安心感を得られやすくなります。

以上7つの能力が高まると、人生のあらゆる場面で、時に賢く、時に軽やかに立ち回ることができるようになります。また、自分に自信もついてきます。言語化力を磨くことは、人生の質を高める最も確実な方法の一つです。日々の生活の中で意識的に言語化スキルを磨いていきましょう。

 *本記事は、「『うまく言葉にできない』がなくなる 言語化大全」の著者・山口拓朗氏による書き下ろしです。