プレマシーもMPVも……マツダがミニバンをやめた理由
今回のインタビューは、「マツダR&Dセンター横浜」で行われた。「横浜」といわれると何となくオサレなイメージだが、最寄り駅はJR・京急の子安。黒くよどんだ運河を越え、貨物専用の錆びた線路を超えてテクテク歩くとようやくたどり着く、ガチガチの工業地帯の中にある。
門を入ると周囲の環境とは裏腹に、横浜らしく瀟洒なビルが建っている。中庭は美しく整備され、クルマの撮影やイベントに利用されることが多い(取材当日も他誌の撮影が行われていた)。玄関脇にはマツダの“歴史的名車”が並び、奥の方には会議室が整然と並んでいる。今回はその一室でお話を伺っている。インタビューを続けよう。

フェルディナント・ヤマグチ(以下、F):いただいた総合カタログを見ているのですが、マツダにはミニバンがない。最後に造っていたのはプレマシーでしたか……?
マツダ 商品開発本部 主査 柴田浩平さん(以下、柴):プレマシーとビアンテですね。どちらも2018年に国内販売を終了しています。過去にはMPVもあったし、マツダもいろいろなサイズのミニバンをしっかり出していた時期がありました。ミニバンは一定数売れる。それは間違いない。ですが、その一方で「CX-5」のようなSUVの人気がぐんぐん高まってきた。CX-5があれだけ売れたのは、やっぱりミニバンのオルタナティブになっていたからだと思います。
