地図データが古いことによる不具合が「新たに開通した高速道路が案内されない」というのであれば、ドライブで多少の時間のロスは生まれるものの、その影響はそれほど大きくはありません。しかしより問題となるのが、NEXCO各社や首都高速、阪神高速が進めている「ETC専用料金所」の存在です。

ETC専用料金所に関する問題

 ETC専用料金所とは、通行できる車両をETC車(ETC車載器を搭載し、有効なETCカードを挿入したクルマ)のみに限定した料金所で、料金収受員や料金収受機など、人や機械が通行券の交付や料金の徴収を行う従来の料金所から転換したところもあります。

 こうしたETC専用料金所を設置する理由については、「戦略的な料金体系の導入が容易になること等を通じた混雑の緩和など利用者の生産性の向上」「料金収受員の人員確保が困難な中での持続可能な料金所機能を維持」(以上、阪神高速)などとされ、あくまで利用者目線でのメリットが訴求されています。

 しかしカーナビの地図データが古く、こうしたETC専用に転換された料金所の情報が反映されていない場合には、ETCカードを挿入していないクルマであってもETC専用料金所を通るルートを案内する可能性があるのです。

 もしETCが利用できない状態で誤ってETC専用料金所に進入し、バックする、Uターンするといった行動をとると、後続車を巻き込んだ重大な事故につながる可能性があります。

 誤進入してしまったときの正解は、料金所の「サポート/ETCサポート」と書かれたレーンに進み、インターホンで担当者と会話して指示を仰ぐことです。

 こうした情報は、高速道路各社が公式サイトなどで説明しています。しかしETCカードを持っていないレンタカー利用者、特に自身でクルマを所有していない人は、公式サイトでそうした情報に触れることがないばかりか、そもそも「ETC専用になった入口があること」を知らない可能性もあるでしょう。