外資系やメガベンチャーに
共通する「文化」とは?

 退職者が選ぶ「辞めたけどおすすめしたい企業ランキング」において、1位はマッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社、2位はヴイエムウェア、3位は伊藤忠商事、4位はキャセイパシフィック航空、5位は住友商事という結果だった。

 上位30社を日系企業と外資系企業に分類すると、日系企業では総合商社が上位10社中、4社を占めている。

 そのほか、味の素やトヨタ自動車といった大手メーカー、DeNAやサイバーエージェントなどのメガベンチャーもランクインしており、幅広い業種からの選出が見られた。

 一方、外資系企業ではアマゾンウェブサービスジャパン、日本マイクロソフト、Apple JapanなどのSIerやコンピュータ・通信機器系業界、さらにコンサルティング業界からのランクインが目立っている。

 上位30社に寄せられた退職者クチコミを分析すると、3つの特徴が明らかとなった。

 1つ目の特徴は「卒業文化」だ。

 とりわけ、外資系企業や日系メガベンチャーに共通して見られたのは、退職理由として「次のステップに進むため」「経験を他社で生かしたかった」といった前向きな動機が多く挙げられていた点である。多くの社員がポジティブな理由で転職を決断していることがうかがえる。

 また、「一丸となって目標達成に向けて取り組む風土がある」「フィードバック文化が根づいており成長に有益である」「成果を出した者が適切に評価される」といった声も寄せられており、短期間で成長できる職場環境であることが際立っている。

 そもそも、1つの企業に長期的に勤めることを前提としておらず、「卒業」を見据えたうえで、身につけたいスキルや明確な目標を持って入社する社員が多い。

 そうした社員は、モチベーションの高い組織の中で豊富な指導や正当な評価を受けながら成長し、その後はさらなる挑戦を求めて転職していく姿が浮かび上がる。

 ランクインした企業の退職者が投稿した「退職検討理由」と成長環境に関するクチコミ(原文ママ)を見てみよう。