AIリテラシーは学ぶが
経験重視
渋田 生成AIの導入についてはどのようにお考えですか。
西村 生成AIは自由に使ってよいと思っていますが、教育プログラムの中に積極的に採り入れてはいません。私たちが大切にしているのはやはり「経験」です。感情や感性、どう思うかを学んでいくことが重要だと考えています。AIで答えが出る世界であるなら、人間はAIとは違う部分で価値を発揮しなければなりません。
もちろんAIの使用に関してリテラシーの部分では学ぶ必要はありますが、誰かと仲良くする方法をAIに聞くのはナンセンスですし、誰かと喧嘩をして、「どのタイミングで謝ればいいか」とAIに聞いてもわからないでしょう。
誰かと仲良くしたいなら、その人が何を望んでいるのかを相手の気持ちになって考えたり、言動から推測したりする必要があるでしょうし、謝罪の適切なタイミングは、喧嘩をした当の相手をよく観察し、気持ちの推移を感じ取らなければわからない。これはAIには真似できない、人間の強みだと思います。寮生活では、しばしば揉め事もあるので、そういうことは自然に身につきます。
一方で、トヨタから提供されたAIの自動運転のプログラムの解析に取り組む生徒もいます。ただ、それは、興味がある子が自主的にやっていることで、全体としてはデジタル教育よりも人間としての基礎力を重視しています。
渋田 人間としての基礎力なしにAIを使いこなすことはできないと私も強く思いますね。
【後編は来週掲載予定です】
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