経営者がブレなければ社員は自然と集まる
まず大切なのは、経営者自身が、自分の人生と理念とをつなげることです。「どんな人生を送りたいのか」「人生の最期を迎えるときに、どのような状態なら納得できるのか」――理念の出発点は、こうした問いから始まります。
そして、その人生観をもとに「理想の人生を実現するためには、どのような会社をつくるべきか?」と何度も問い直すことで、経営と人生がつながり、ぶれない軸が生まれてくるのです。
その軸に沿って会社を動かしていけば、社員にも一貫したメッセージが伝わります。経営者自身がブレなければ、理念に共感する社員が自然と集まり、理念に基づいた行動が社内に根づいていきます。社員ひとりひとりが自分の仕事の価値を実感し、社会とのつながりを感じるようになれば、組織全体の推進力も大きく高まっていきます。
社員に理念を押しつけても意味はありません。事業を通じて、理念を体現し、顧客の喜びの声という“成果”を社員が受け取ることで、理念が深く浸透していく――そんな好循環をつくることが、理念経営の本質です。そして、それを実現することが、経営者に求められる本当の責任なのです。
あなたの会社は、理念に基づいて経営の意思決定をしていますか?事業活動の中に、その理念はきちんと表れていますか?
今一度、理念を見つめ直し、事業や日々の経営判断に反映させる――このプロセスが、これからの時代に求められる本物の理念経営です。