前述の通り、国債は暴落しない可能性が高い。しかしそれは、暴落という価格メカニズムがはたらかないだけで、暴落しないことが国債発行の正当性を示しているわけではない。俯瞰してみれば、国債の大量発行が金融機関を通じて吸収されている現状は、実質的に、日本経済において国民の貯蓄を強制的に撤収し、わずかな利子だけを払い続けていることと同義である。

 日本経済を立て直すためには、まず、政府支出を減らし、国債発行を減らすことが重要である。財政再建を行い、国債発行を減らす必要がある。あまりに基本的なことだが、「原点回帰」。これしかない。

次回は5月30日更新予定です。


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ハイブリッド・バブル  日本経済を追い込む国債暴落シナリオ

暴落しない静かなバブルは、
国債依存症となった金融機関の安楽死、
ひいては日本経済の安楽死につながる。

 日本の国債が暴落リスクと隣り合わせと言われながら、高価格・低金利を維持してきた「不安定な安定性」の均衡メカニズムを分析し、黒田東彦総裁率いる日本銀行が国債買い上げを進めることでこの均衡が崩れ、普通のバブル化を起こしつつある現状と今後の見通しを明らかにします。果たして国債バブルは崩壊するのか?大口保有者である金融機関の未来は?非効率な国債への資金投下が続く日本経済の行く末は?今後を考えるうえで示唆を得られる1冊です。ご一読ください!

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