iDeCoのメリットが
大きい人と小さい人の違い

 今回の制度改正により、自ら老後資産を準備する必要性が高い人ほど、より活用しやすくなります。

 例えば、企業年金がない企業に勤める30歳の人が、月額3万円でiDeCoに加入し、65歳まで35年間拠出した場合:

・拠出累計額:1260万円
・年利3%で運用した場合の資産:2225万円
・積立期間中の所得等の税軽減効果(所得税率10%の場合):約252万円

 さらに、受け取り時には「退職所得控除」が適用され、仮に他の退職金がなければ1850万円まで非課税で一時金として受け取ることができます。

 つまり、退職金や企業年金がない・少ない人ほど、iDeCoの恩恵を大きく受けることができるのです。

掛け金(株)オフィス・リベルタス作成
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 一方で、企業年金や退職金が手厚い場合、iDeCoの拠出限度額は低く抑えられますし、受取時の退職所得控除や公的年金等の控除といった税制上のメリットは、iDeCo以外の退職金・企業年金で使ってしまい、iDeCoを受け取る時には控除が残っていない可能性があります。

 加えて、2026年からはiDeCoを含む確定拠出年金以外の退職所得控除の合算の適用期間が「前年以前4年※」から「前年以前9年」へと拡大され、他の退職所得との合算ルールが厳しくなります。
※退職金が支給される年の前年までの4年間

 これにより、税制面からも老後資金準備の公平性が高められる方向です。

50歳からスタートしても遅くない!
夫婦共働きならダブル加入もおすすめ

 老後資金の準備は、次のような点から、早く始めるほど有利です。

・長期の積立は、それだけ資産がたまる
・積立時の税メリットを長く受けられる
・加入期間が長いほど「退職所得控除」も大きくなる

 しかし、たとえ50歳からスタートしても、決して遅くはありません。