辞表を提出するイメージ画像写真はイメージです Photo:PIXTA

人間関係が原因での退職は今も昔も根強く、特に“上司との相性”は日々の働きやすさに直結する重要な要素です。では、本人に悪意がなくても、知らず知らずのうちに部下のやる気を削ぎ、信頼を失わせてしまう上司には、どんな“共通点”があるのでしょうか? もし、本稿で取り上げるような人がいたら…部下を持たせてはいけないし、すぐに離れたほうがいいかもしれません。(クライス・アンド・カンパニー代表取締役 丸山貴宏

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パワハラでエース級人材を
複数人も退職させた転職候補者

 退職理由のアンケート調査を見ると必ずといっていいほど上位に入っているのが人間関係です。厚生労働省の「令和5年雇用動向調査」でも、令和5年の転職入職者が前職を辞めた理由として男性の9.1%、女性の13.0%があげたのが「職場の人間関係が好ましくなかった」でした。

 とりわけ直接的に指示・命令を受ける上司との関係は重要で、会社そのものは良かったとしても上司との関係が悪ければ日々のストレスとなって積み重なり、やがて退職の二文字が頭をよぎりかねません。

 人間関係が悪くなる引き金は単純な相性の問題から、ビジネスの目的や方針が一致せず対立してしまう、あるいはパワハラ問題などさまざまです。

 以前、転職候補者のレファレンスを取った時、「その人はパワハラで問題になっていて、複数のエース級人材を退職させていた」とわかったことがあります。ここまでいくと組織としても大問題であり、採用は当然見送りとなりました。

 パワハラとまではいかなくても、管理職の中には自覚がないまま平気で部下との人間関係を悪くしてしまう言動や態度、行為をしてしまう人がいます。以下にそれがどのようなものか見ていきましょう。