早期離職を防ぐための
3つのポイント
それでは、若手の早期離職を防ぐために企業ができることは何でしょうか。ポイントを3つ解説します。
業務の意義を伝え、具体的な指示を出す
少し前まで「説明しなくても当たり前」だった業務ほど、説明が必要です。例えば、「対面での挨拶」は、リモートでは足りない人間関係の構築や情報収集に役立ちます。また、「職場の雑用」も、業務全体の把握やタイムマネジメントを実践する場になります。上司や先輩が丁寧に説明し、新人自身が「必要なことだ」と理解できれば、本人の働きがいに転嫁できるでしょう。
「叱る」でも「怒る」でもなく「指導」をする
パワハラを恐れて指導ができないのは本末転倒です。ただし、指導や注意は、背景から説明し、なぜ今この指導が入るのか、何のために必要で、将来的にどうなってほしいか、懇切丁寧に話す必要があります。「叱る」でも「怒る」でもなく、育成のための指導です。
なんて面倒くさいんだ!と思った中高年もいることでしょう。しかし、そこを可視化・言語化しないといけません。「察しろ」は通用しません。さらに折に触れて、個人として着実に成長できていることや会社に貢献していることを伝え、「常時あなたを見ていますよ」という雰囲気を出し続けましょう。
新人が成長できる機会を提供する
新人に対しも、一定の裁量を与えることで責任感が生まれます。中には、判断軸を効率性に振り切っていたり、同調圧力に鈍感だったりと、上司や先輩からすると見逃せない展開もあるでしょう。
しかし、頭ごなしに否定するのではなく周囲が受け入れ、一緒に修正することで心理的安全性が高まり、チームに貢献する意識が生まれます。些細なミスは受容し、報連相をはさむ、責任の所在を上司にするなどフォローしつつ、チャレンジしやすい環境を整えましょう。
Z世代の傾向として、会社が自分の面倒を見てくれるとはハナから思っておらず、自身の市場価値を上げることに貪欲です。それはつまり向上心があり、非常に真面目なのです。ある意味テキトーだった昭和世代からすると面食らう場面も多いですが、受け入れ側も変化を求められています。
働きやすい環境とは、制度設計だけでなく、運用や人々の意識が変革してこそ成立します。多様な価値観を受容するマネジメントが、今後も成長し続ける組織のキーとなるでしょう。