当事者から一般の人が学ぶ
「ひきこもり大学」の提案

 やはり、ある当事者との対話から「これなら行きたくなる」としてアイデアが生まれた「ひきこもり大学」についても、まだ妄想の段階だが、たくさんの反応をいただいている。

「ひきこもり大学」とは、「引きこもり」当事者たちが、それぞれの得意分野で講師に就任。親や支援者、専門家、関心のある一般の人たちが講師料を支払って、当事者たちから学ぼうという案だが、いずれにししてもまだ白紙の段階。これからみんなでアイデアを出し合って練っていくことになる。

 この構想に対し、受講者が支払う講師料は、「中味の面白さに応じて、100円単位で、上限を青天井にしたらどうか」という“投げ銭方式”のアドバイスをいただいた。なるほど、その方式なら、お互いのモチベーションも高まって、ニーズの反映されやすい大学が実現しそうだ。

 また、引きこもりの長期化、高年齢化した時代に即して、こんな提案もあった。

「50歳代の当事者には、博士号を認定したらどうでしょうか?長い引きこもりの人ほど、しゃべれなくなることが多い。周囲の人は、なぜ?どうして?の疑問に答えてくれる情報がなく、参考になる材料を欲しがっています。何十年も引きこもっている人は、人間国宝級の価値があるということです」

 当事者にしかわからないような世の中の裏側を見抜く視点には、いつも学ばされる。

 これまで「履歴書の空白」としてネガティブに捉えられがちだった「引きこもり」期間の経験や知恵が、逆に長ければ長いほど武器になって、自らの収入にもつながるという逆転の発想が、とても前向きで素晴らしい。それだから、みんなの幸せにもつながり、共感も得られるのだろう。

 他にも、様々な引きこもり事業案を頂いている。誌面の都合もあり、これから随時、情報共有していきたい。

 また、6月2日(土)には、様々な事業化アイデアを生んだ『第5回 ひきこもりフューチャーセンター「庵 -IORI-」~ひきこもりが問題ではない未来を描く~』 が開催される。

 今回は、これまでのセッションを振り返りとともに、引きこもりにまつわるテーマや活動プラン等を持つ当事者・関係者から、プレゼンも行われる。

 また、読者からの要望もあり、これまでずっと引きこもっていたような話が苦手な人でも参加しやすいよう、傍観可能なグループのスペースも設けられる予定だ。

 多様な人たちとの対話を通して、どんな未来図が目の前で描かれていくのか、一緒にその場で味わってみてほしい。