抹茶ファンの間で非難合戦 品不足は誰のせい?Illustration: Alexandra Citrin-Safadi/WSJ; iStock

 動画共有アプリ「TikTok(ティックトック)」の抹茶好きコミュニティーにはこのところ、不穏な空気が漂っている。

 こうしたオンラインコミュニティーは、世界的な抹茶人気の広がりに一役買ってきた。そこでは抹茶の熱心なファンがラテを自宅で作るための抹茶と牛乳の理想的な比率を共有したり、さまざまなブランドをレビューしたり、茶わんやふるい、茶せんといった道具を使った抹茶のたて方を丁寧に紹介したりするのが普通だった。

 そうした抹茶好きのコミュニティーに異変が生じている。

 コンテンツクリエーターのキミ・ジャヤシリさん(27)は「一部ではかなり雰囲気が悪くなっている」と話す。

 抹茶の爆発的なブームは世界的な品不足と価格高騰を引き起こした。また、少数の日本の業者によって毎年生産される抹茶を大量に購入し、転売する動きも広がった。市場の混乱を目にした抹茶ファンの間では、供給減の責任は誰にあるのか、そしてそうした貴重な抹茶を飲む資格があるのは誰か、といったことで議論がヒートアップしている。

 抹茶ファンは、ラテを作るために使われる抹茶の量に目を光らせるようになった。複数の缶を保有している人は、抹茶の賞味期限が短いことを指摘する熱狂的なファンから批判されている。缶を茶わんの上で慎重に開けて粉が舞い上がらないようにするなど、最後まで使い切ることに気を配らない人は、無駄遣いをしていると非難される。