
午前3時まで続くこともあるお見合いパーティー形式の面接。その日のうちに返事を求められる採用オファー。自分の行動を今の上司に知られるかもしれないという不安。これらはすべて、あと2~3年は始まりさえしない仕事を得るためのものだ。
プライベートエクイティ(PE)投資会社の世界へようこそ。同業界の採用活動では、大手銀行のアナリストとして働き始めてまもない、大学を卒業したばかりの者たちが、誰もが望むような企業買収専門企業の職を手に入れようと争っている。
こうした採用の手口は近年、異様な盛り上がりを見せ、スタートがどんどん早まっていることから、今夏には若手の引き抜きに耐えかねた大手銀行が断固とした措置を取るようになった。
モルガン・スタンレーは5月、アナリストらに対し、他社での将来の雇用を確保した場合、直ちに告知することを義務付ける正式な方針を導入した。この問題に詳しい人物が明らかにした。規則違反が判明したアナリストは、解雇などの懲戒処分の対象になる恐れがある。
ゴールドマン・サックスも最近、将来別の会社で働くオファーを受け入れているかどうかを3カ月ごとにアナリストに尋ねることを決めた。JPモルガン・チェースは今年の入社予定者に宛てたメモで、アナリストが入社後18カ月以内に、将来別の会社で働くオファーを受け入れた場合は解雇されると通知した。
PE投資会社で立派な職を得たいと考えている若いバンカーは通常、JPモルガンやゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレーといった大手銀行で、投資銀行業務のアナリストとして経験を積む。これは、労働時間が週100時間以上という、過酷なものになり得る通過儀礼だ。