問題にすべきは「並」と「上」の価格差です。あくまで食通の評論家の意見として聞いていただきたいのですが、鰻の成瀬の「並」と「上」を食べ比べると、お値段以上に味の違いが大きいと私は感じます。1900円を払ってでもニホンウナギを食べたほうがはるかにコスパがいいというのが私の判断です。産地は同じ中国でも、品種の違いが生み出す味の差は大きいのです(記事末に鰻の成瀬「上の梅」の検証画像あり)。
さて日本では品種について過去にこんなことが起きています。コーヒーの世界では、スタバが登場して以降、コーヒー豆にはアラビカ種とロブスタ種があることに消費者が気づき、アラビカ種の人気があがるという現象が起きました。お米の世界ではコシヒカリがおいしいことが認知され、結果として全国で一番多く栽培される品種がコシヒカリになりました。
これらの歴史と同様に、鰻も鰻の成瀬がきっかけとなって、産地ではなく品種が注目される時代がいずれやってくるかもしれません。丑の日の19日からは全国的に雨もあがり、暑い夏が始まりそうです。皆さんも暑気払いに鰻を食べながら、その値段と産地と品種を頭に浮かべることで、自分に一番合った鰻について考えてみませんか?
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