鰻の成瀬は昨年8月にメニューを一新しました。それまでは輸入したニホンウナギを提供していたのですが、店舗数の急増と、輸入物価の高騰で、それまでのような価格が維持できなくなったことがメニュー刷新の事情だったようです。

 そこで新しいメニューですが、うなぎの種類で並、上、特上に分け、うなぎの量で梅、竹、松に分けるという、ある意味で質と量がわかりやすいメニュー体系に変更になったのです。

 具体的には「並」がアメリカ種、「上」が海外養殖のニホンウナギ、「特上」が数量限定の国産うなぎです(それぞれ漁獲高によって品種が変わる可能性あり)。鰻の成瀬での表現はアメリカ種は「脂少なめあっさり風味」、ニホンウナギは「ふっくら柔らかジューシー」とメニューに表現されていますが、これは先述したそれぞれの食感をポジティブに表現したものといえます。

うなぎを提供する代表的なチェーン店と取り扱っているうなぎの品種(公開情報と取材情報をもとにダイヤモンド・ライフ編集部が作成)うなぎを提供する代表的なチェーン店と取り扱っているうなぎの品種 ※鰻の成瀬については、漁獲高によって品種が変わる可能性あり(公開情報と取材情報をもとにダイヤモンド・ライフ編集部が作成)

 ではこの条件で価格はどうなっているのでしょう。前提として鰻の成瀬の「梅」はサイズとしては鰻半尾の大きさです。その梅で比較すると、鰻の成瀬ではアメリカ種の並が1600円、輸入ニホンウナギの上が1900円、そして国産の特上が3400円という価格になっています。

 さきほど「飲食チェーンのような価格帯では国産うなぎは提供できない」と申し上げた通り、国産養殖うなぎはコストとしては別格になることがこの3400円という価格設定から理解できると思います。