価格でも産地でもありません…
「うなぎ選び」は“品種”です
チェーン店ではない本格的な鰻の専門店で食べる国産のうなぎは、チェーン店のうなぎとどう違うのでしょうか?実は大きな違いが2つあります。
高級路線の専門店との違いについては、ひとつは国産うなぎを使っていること、ふたつめに料理場で職人さんが直接捌いてお店でかば焼きを焼いていること。これは大きな違いです。
安くうなぎを食べることができるチェーン店の場合、工場で職人さんがうなぎを捌いて生産ラインでかば焼きを焼いたうえで冷凍して店舗に届きます。ですから本格的な鰻の専門店とチェーン店では調理方法が異なるといえばその通り。
ただし、これは外食産業全般に言えることですが、近年、冷凍食品の技術が大きく進歩したことで、冷凍の鰻のかば焼きも提供品質は職人さんの味にかなり近づいています。
だとしたら味の違いは国産なのか輸入品なのかの違いでしょうか?実は違う点はそこでもないのです。
先述したように大手商社や大手飲食チェーンが手掛ける海外でのうなぎの養殖の品質管理はレベルが上がってきています。国内で養殖するうなぎと海外で養殖するうなぎの品質レベル自体はかなり近づいている。
その前提で一番の違いが出るポイントは何かというと、養殖するうなぎの「品種」が重要なのです。
食用のうなぎの品種は大きく3種類あります。ニホンウナギ(ジャポニカ種)、アメリカウナギ(ロストラータ種)、そしてヨーロッパウナギ(アンギラ種)です。このうちヨーロッパウナギは数が減少していて、この秋のワシントン会議でウナギ全体を絶滅危惧種に指定する議題が持ち上がっています。
そして日本で流通するのは主にニホンウナギとアメリカウナギです。国産うなぎは当然ながらニホンウナギなのですが、中国で養殖したうなぎには種が異なる2種類が混在します。違いとしてはニホンウナギは輸入価格が高めで、アメリカウナギは価格が安い傾向があります。
それでアメリカウナギの味ですが、食べてみるとそれほど食通の方でなくてもニホンウナギとの違いが知覚できます。なんというか皮が厚くて歯ごたえがあるのです。ニホンウナギのぱりぱりっとした皮の薄さを基準にすると違いに気づけます。
さて、ここでもう一社、うなぎのチェーン店を紹介します。店舗が急増している鰻の成瀬です。