皮脂を抑える食生活とは?
1日1回のシャンプーは基本

 その対策法は、加齢臭とミドル脂臭で少し違ってくる。皮脂が酸化することで発生する加齢臭の場合は、皮脂自体を抑えることに加えて、酸化を抑えることが有効だ。皮脂の分泌を増やす甘いもの、脂っこいもの、アルコールを取り過ぎないようにし、皮脂を酸化させないようにする。

「油の酸化を抑えるのに有効なビタミンEを含むナッツ類、アボカド、ゴマのような種子類を積極的に取るようにしてください」

 皮脂と汗が原因のミドル脂臭の場合、汗が出るのを止めることはできないので、皮脂対策に力を入れよう。皮脂の元となる中性脂肪を高める甘いもの、脂っこいもの、アルコールを取り過ぎないのは加齢臭の場合と同じだ。汗と皮脂の両方を抑える制汗剤を使う方法もある。

「ミドル脂臭は頭のニオイなので、その対策も肝心です。頭を蒸らさないようにしたり、帽子をかぶらないようにしたりするほか、頭用の制汗剤も有効です。頭皮の皮脂は24時間で回復するため、1日1回はシャンプーするのが基本ですが、洗いすぎると逆に皮脂を増やしてしまうリスクがあります。1日1回以上洗う場合は湯シャンなども取り入れるとよいでしょう」

 加齢臭の場合もミドル脂臭の場合も、入浴の方法は重要なポイントだ。

「入浴は、シャワーですませるのではなく湯舟に浸かりましょう。汗にはミネラルを含むベタベタ汗と、99%が水であるサラサラ汗の2種類があり、ベタベタ汗はニオイの発生源になります。じわじわと体を温めて汗をかく習慣をつけると、汗腺がしっかり機能するようになり、ニオイのしないサラサラ汗をかけるようになります」

 湯の温度はぬるすぎると汗がかけないので、40度くらいが適温である。夏は水分を補給しながら、しっかり汗が出るまで浸かるようにしたい。サウナ習慣もサラサラ汗をかくためには効果的だ。
 
 加齢臭やミドル脂臭は病気ではなく、加齢にともなう生理的な現象である。とはいえ、生活習慣や食習慣に気をつけることで改善することも可能だ。家族や身近な人に「臭うよ」と言われたら、生活習慣を見直すきっかけにするとよいだろう。

(監修/医師、天籟代表取締役 桐村里紗)