一橋大学の就活事情

「有名企業への就職率が高い大学ランキング」といった調査では、いつもトップか上位をキープ。「学内説明会に300社が来てくれる。合同説明会に行く必要がない」「本気で頑張ってる人には、東大生と変わらない評価をくれる企業も多い」という学生の声も。

 商社や金融に強く、中でも大手に就職する卒業生の数が圧倒的に多い。「大手志向の強い人が多く、企業側も一橋大生対象のセミナーを開いたり、卒業生がリクルーターとして後輩を積極的に採用しようとしたりしている」とか。

 東大が官僚養成機関なら、一橋は大企業の中間管理職養成機関と言える。「ゼミの一橋」だけあって、就職指導も主に学部、ゼミが実施。

 企業側の評価も文句なし。「要領がよく、何でもソツなくこなし、協調性もあり……」と日本的企業の体質にぴったり。学生時代からすでにサラリーマン体質なので、どんな会社に行っても即戦力で通用する。

 卒業生が集まる「如水会」の存在は大きい。縦のつながりでは慶應・三田会と双璧だ。資格取得熱は高く、司法試験や公認会計士などの勉強に励む学生が多い。異色は社会学部で、マスコミへの就職が20%近い年もある。

東京科学大の就活事情

 旧東工大の約9割が大学院へ進学。修士課程を修了して就職するのは8割ほどで、その他は博士課程進学など。

 修士を出れば、受け入れてくれるのは超がつく一流どころの企業ばかりだ。製造業をはじめ、メガバンクやシンクタンク系企業、情報通信業、サービス業まで、先輩たちの就職先には有名企業の名がズラリ。

 理系的な思考力と情報関連の知識をもった東工大生は、あらゆるところから歓迎される。「有名企業を狙うと個人の実力差で勝敗が分かれるが、どう転んでも職には就ける」「多くの大手メーカーやインフラ企業の技術職で大学推薦枠が用意されていて、専攻によっては半数の学生がこの推薦枠で内定を得ている」「院卒なら就職に関しては無敵。

『採用予定○人』とあっても、これとは別枠で、東大および東工大専用の募集枠が存在するらしい」と、みんなおっとり構えている。

 ただし、「技術職でない限り、大手への就職は文系・体育会系が取っていく」という大学院生の声もある。研究室と企業とのパイプに頼りきりはキケン。就活での競争相手は東大生や阪大生だ。