経験を積むだけで能力が育つとは限りません。経験からどれだけ学び、成長できたかが能力として現れるのです。
例えば、営業の経験がある人が全員優れた営業力を持つとは限りません。一方で、営業経験がなくても、営業として実績を出すために必要な能力を持っていれば、営業職に就いてすぐに成果を出す可能性もあります。
ただ、現在の転職市場では、多くの企業が「経験」を重視して採用を行います。「経験がある人は即戦力としてすぐに成果を上げられるだろう」という仮説に基づいているためです。多くの求職者から選ぶためには、書類上の判断基準を設けざるを得ないという理由も背景にあります。
経験と能力が伝える役割の違いにも注目が必要です。
経験は求人内容との「類似性」を示す材料になり、能力は結果を出す力の「再現性」を示す材料になります。
これら全てを理解した上で職務経歴書を作成する必要があるのですが、経験と能力を正しく把握できている人の方が少ないのが現状です。
また、経験と能力を把握するだけでは不十分で、自分の持つ特性や大切な価値観などから、自分に適したキャリア戦略を練る必要があるのです。
やりたいことがない人は
一般的なキャリア戦略に不向き
多くのキャリア戦略は、自己分析をした上で明確な目標やビジョンを設定し、それに向けた行動計画を立てることが重要視されます。いわゆる「やりたいこと」や「将来の夢」に基づき、目指すべき職業やキャリアパスを設定し、それに向かってキャリアを構築していくアプローチです。
このアプローチは、やりたいことが明確な人や将来のビジョンを持っている人にとっては非常に有効ですが、そうでない人にとっては、違和感ややりにくさを感じることが多いといえます。
さて、「やりたいことが見つからない」人には、どんな特徴があるでしょうか。これまでキャリアコンサルタント、人事、事業責任者として関わってきた数千人の方々を元に、4つのタイプに分けてみました。
4つのタイプを1つずつ読んで、「自分に当てはまるかも」と感じるものを選んでみてください。タイプを併せ持つ人もいるので、無理に1つに絞る必要はありません。
