「人前に出ることが仕事」の方たち――特に事務所に所属するようなアーティストや作家、アスリートの方といった著名人や日頃講演をされているような各界のプロフェッショナルの方などにお目にかかるとなると、アポ取りの際に「謝礼(ギャラ)はいくらですか」と単刀直入に聞かれることも珍しくありません。

提示された金額が
用意できない場合

 先方が提示した金額をお支払いするのが難しい場合――個人で依頼する場合や非営利のプロジェクトなどはこうしたケースが多いかもしれません――はどうしたら良いでしょうか。

 そんな時も正直に予算額をお伝えすれば良いと僕は思います。ただし、その場合はお相手に提供できる「金銭以外の価値」もあわせてお伝えすること。

 活動のPRかもしれませんし、イベントのお手伝い、もしくはあなたの「得意」や「好き」から生み出した何らかの提案かもしれません。事前リサーチをしっかりすると、お相手がどんなことなら喜んでくれるか、思いつくはずです。そうでなければこの段階でも遅くありません。さらにリサーチしましょう。

 それでもお返事がNGの場合、僕なら検討していただいたことにお礼を述べ、その時はあきらめます。ですが、失意のどん底には陥りません。なぜなら次のチャンスのためにとれるアクションがあるからです。

 先方が希望される謝礼が、もう少し時間をかければお支払いできそうなら貯金をします。会社のプロジェクトの場合は、再度部署内で調整をはかります。結果、満額か満額に近い金額を用意できればベストです。

 お支払いできる額と先方の求める額があまりに乖離している場合――そんな時こそ原点回帰。どうしたら謝礼「+α」の価値を相手により感じていただけるか。さらにリサーチに時間をかけます。すると、いままで見えていなかった、お相手の役に立てるポイントが見えてきます。

 それをもとに「これなら価値を感じてもらえるかもしれない」と思える提案にまで練り上げるのは、簡単ではないかもしれません。時間もかかります。ですが、もしあなたが本当にそのお相手にお目にかかりたいのであれば、ぜひトライしてみてください。