「リバプールに移籍してから、サッカーに対する学びがすごく多い。チームには試合に勝って当たり前の雰囲気があり、目の前の勝利に決して一喜一憂せずに、明確な目標へ向けて細部にこだわりながらコツコツと積み上げていく。

 タイトル獲得を含めて、何かを成し遂げるためには絶対に必要なメンタリティーだと思うし、そのなかで選手全員がチームのために何ができるのかを考え、僕を含めて、誰が試合に出ても結果を残すサイクルが生まれている。そうした考えを、僕は日本代表でも表現しているつもりです」

名門リバプールに所属する
それが「ステップアップ」

 サッカーにはステップアップという言葉がある。プレーするリーグや、あるいは所属するクラブのレベルをどんどん上げていく考え方に沿えば、世界最高峰に位置づけられるプレミアリーグ、そのなかでも名門と呼ばれるリバプールを超えるステップアップはまず考えられないといっていい。

 実際にリバプールは4月にプレミアリーグ優勝を果たしている。シーズン終了後の6月に行われた日本代表戦。リバプールでのハイレベルな日々が、さまざまな部分で自身を成長させてくれていると持論を強調した遠藤は、新シーズンの去就を問う質問に「何も変わっていないですね」と即答している。

「これから移籍期間がありますけど、基本的にはリバプールにいると思っています」

 新シーズンを終えた直後の来年6月には、アメリカ、カナダ、メキシコで共同開催されるワールドカップ北中米大会が待っている。開幕時には33歳になっている遠藤自身が、通算3回目となるワールドカップへ万全の状態で臨みたいのではないか。こうした前提のもとで去就が問われた。

 以前から「出場機会がものすごく多い状況で、ワールドカップを挑めるのがベストだと思いますけど」と苦笑してきた遠藤は、たとえ出場機会が激減してもリバプール残留がベストだと強調した。