仕事に慣れて日々の業務に飽きてしまうと、商品、サービスの品質が保てなくなります。

 私がセブン-イレブンのFCオーナーをしていた頃の話。納品される弁当の盛り付けの見栄えが、どんどん悪くなっていく時期がありました。酷いときには、弁当箱の裏側に野菜の破片が張り付いているものまで納入されるようになりました。

 これは見逃すわけにはいかないと思い、製造している工場にクレームとして伝えたところ、店舗からの発注数も落ちていないし、FC本部からの注意も受けていないので、とくに問題はないと思っていたし、商品のクオリティーが低下していることに気づかなかったと、工場長から聞きました。

 仕事のマンネリ化が原因の「ナダレ化現象」はゆっくり進行するため、第三者から指摘されない限りなかなか気づくことができないので、要注意です。

商品が売れなくなるのは
販売員の関心が切れたとき

 恋人同士が付き合いだして、しばらくすると相手が傍にいるのが当たり前の状態になります。徐々に空気のような存在になり、出会った頃のようなトキメキやドキドキが薄れてきてマンネリ化します。

 この状態が進行すると、いつしか熱が冷めて破局が訪れます。そういう経験をお持ちの方も、いらっしゃるかもしれません。

 仕事も同じです。初めて取り組む業務は、何もかもが新鮮に感じることばかりですし、覚えることだけで精一杯の状態です。そのときに感じていたドキドキやワクワク感は、仕事のやり方が分かってくると徐々に薄れてきます。

 仕事に慣れれば、スムーズに作業を行えるので良い面もありますが、トキメキがなくなるので、仕事への興味が薄れてモチベーションが低下していきます。

 小売業の話になりますが、商品が売れなくなるのは、商品自体の問題という場合もあるものの、一番の原因は入荷して時間が経過した商品に対して、スタッフの気持ちが向かなくなってしまうことです。