ビジネスの現場でも「そんなことはないだろう」と高をくくるのではなく、「もしかしたらこんなこともあるのではないか」と考えるように意識してみてください。
海外進出がないのなら
国内展開を聞いてみる
話を広げるコツは、「角度を変える」、つまり「言い換える」ということです。
例えば「海外進出はお考えですか」と聞いたら、相手が「まだまだ国内で掘り起こせていない需要がありますから」と答えたとします。「これでおしまい」と次の話題に移るのではなく、こんなふうに返してみる。
「まだ国内に需要があるとおっしゃいましたが、国内店舗の最終的な数はどのくらいになりますか?」
「国内需要がある程度取り込めたら、海外に進出するということですか?」
そうすれば、新聞記者なら「〇〇社、5年後に国内1000店体制へ」とか「〇〇社、近く北米に実験店開設」といった見出しのニュースが取れるかもしれません。ビジネスの場合なら「海外進出の際にはぜひ協力してください」と、向こうから約束を取りつけられるかもしれません。
相手の言ったことを受け止めたうえで、少し角度を変えて質問を返す。それによって話が発展していき、話し手の考えを深いところまで持っていけるのです。
ただし、角度を変えたり言い換えたりしても、自分の価値観を押しつけてはいけません。「こういう見方が普通じゃないですか」と詰め寄ったりするのは、避けるべき。あくまでも相手の価値観を受け入れ、理解して深掘りしていきましょう。